熊本地震を始めとする日本の過去の地震被害からの教訓とは「2階建ての木造住宅が大地震で1階建てになってしまう」ということです。

日本では、三大都市圏の都心部を除けば、ほとんどの持ち家は木造2階建て住宅です。
さらに、借家であるアパートもほとんどが木造2階建てアパートなのです。
これは、木造が安くて儲かるから、なのです。
特にアパートを木造にするのは建設コストが安いとともに木造の耐用年数が短く、税法上の減価償却が早いため投資において有利だからです。
アパートは新築時に家賃が最も高額ですが、その時に減価償却期間が短い木造なら費用として減価償却費を使うことができるので、税金を納めなくて済むのです。
ざっくり言えば、
利益=家賃-減価償却費(=建設コスト/耐用年数をもとに計算する仮の費用の支出があったとみなされる)
ということです。
この利益部分をもとに税金がかかりますから、バーチャルな減価償却費の額が高ければ高いほど投資としては有利であり、この減価償却費を高くするマジックが耐用年数なのです。
これがアパートがなぜ木造ばかりになるかという種明かしです。
木造の法定耐用年数は22年(重量鉄骨造34年、鉄筋コンクリート造47年)と短いのです。
このように、木造は税制面でも優遇されているのが投資物件である木造アパートが増える理由です。

参考)nomu.comより、
魔法の経費!減価償却費で税金をコントロールする!
http://www.nomu.com/pro/column/kanae/02.html

しかし、木造の問題は耐震構造的に弱いものが作られやすいということです。
木造というのは大工にとって造りやすい構造であるがゆえに設計・施行において自由度が高く、構造については目をつむって機能、デザイン優先の家が作られやすいという問題があります。
本来、建築物についてはどんな構造でも構造計算をするのは当たり前ですが、現在においても木造については構造計算は仕様規定による壁率を満たしていればいい程度であり、構造計算書を必ず用意しておくこととはされていないのが現実です。しかも、昔から構造計算なしに建てられてきた木造住宅の作り方をある程度許容しているために、構造的には他の構造に比べて極めて中途半端な扱いとなってしまっているのです。
このように特に木造住宅については構造的に問題が多いと言わざるを得ないです。
また、シロアリを代表するように深刻な劣化を経年により受けやすいのが木造です。これも他の構造と比べて特徴的な構造的に問題が大きい部分です。
ちなみに、木造二階建アパートは構造計算がされているので、設計レベルでの問題はありません。ただし、古い木造については設計基準が古いままで耐震補強などされていないものがほとんどですので、実際に入居するときには古い木造アパートは2階の部屋以外は避けたほうがいいでしょう。

Yahoo!より、
2度の「震度7」や届かない物資……熊本地震の教訓「7つの備え」(上)
2016/5/2(月) 13:00配信 THE PAGE
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160502-00000002-wordleaf-soci
記事より、
・毎日新聞によれば、この地震で死亡した人が発見された倒壊家屋やアパートで、建築時期を確認できた25棟のうち、建築基準法の新耐震基準(1981年6月)以前に建てられたのは23棟。朝日新聞は、家屋倒壊で死亡した37人中、少なくとも20人のいた家屋が新耐震基準前の建築だったと報じています
←これは朝日新聞お得意のデタラメです。そんな事実はありません。全壊はしても死亡したというケースはおそらくないはずです。朝日新聞は決して訂正などはしませんが、建築学会はデタラメだとすぐに抗議しています。
・益城町などへ現地調査入りした名古屋大学減災連携研究センターの護雅史特任教授です。「16日の『本震』の前までは、比較的新しい木造家屋には少なくとも外観上、構造の致命的な被害は少なかったように感じられました。しかし残念なことに、この時点では益城町を含めてほとんどの被災地で応急危険度判定が実施されていませんでした。もしできていれば、危険な建物に近づくことなく、守られた命があったかもしれません。今後はモニタリングによる迅速な自動応急危険度判定のシステム開発や体制づくりが望まれます」
←14日の後の16日深夜までの間に「応急危険度判定」の実施を求めるのはナンセンスです。外観上問題がない家でも地震の収束が見えないなかでは、2階で寝る、ことを構造にお詳しい特任教授を自認すのであれば、きちんとコメントする必要があります。そもそも「応急危険度判定」はボランティアによる注意書きのステッカーであり、その指示に従う義務は誰にもありません。さらに言えば、2度目の震度7を想定せずにステッカーを貼ることをしていたら、「応急危険度判定で安全でも倒壊!」なんて騒ぎになったことでしょう。
・「1週間分」の備蓄品を本気でそろえる
・ネットを駆使し、紙でも伝達
・『道の駅』の災害拠点化もっと」
・アウトドアレジャーのすすめ
・防“犯”力から防災力も強化
・『ごみ』も大事に、『廃棄物』は減らそう
が「7つの備え」だそうです。

命を守るための「備え」は、木造住宅では2階に寝ること、1階には寝ないこと、です。
それだけ。

熊本地震の本震の4月16日は「2階で寝る日」としたいものです。

<熊本地震で2階が1階となった木造住宅の数々>
2toFlat.gif

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