そういう意味では、大震災というにはふさわしくない地方の出来事として扱うのが適正だと思う。
一部損壊はこれまでの災害ではほとんど手当されてこなかった世界。
その理由は、家という私有財産を持っている人であれば、ほとんど通常の補修の範囲で対応する程度の被害である、ということは真剣に考えなければならないのです。
例えば、経年劣化で屋根を修理したとすれば、すぐに戸建住宅の場合は70万円以上の出費になります。
そもそもその程度の補修費は災害時ではなくとも負担をしている、一部損壊程度では経年劣化の世界での対応との違いが分からないのです。
私有財産に国が金をつぎ込むということは、個人の資産形成を国の金で行うこととなり、不公平となるのです。
今回は、大阪府が一部損壊であれば写真などでも5万円の住宅被害に対して金を配るということを行い、さらに無利子融資(おそらくほぼ使われないと思うが)といった手当を行っていることもあり、何としてでも一部損壊の罹災証明を取ろうという行動に繋がることから、被害棟数が増えるということになるのです。
施策により、被害棟数の数が変わるというのはおかしいのですが、金と結びついているだけに現実としては起こるのです。
災害に対しては以前はほとんど個人の救済は国の金により行われてきていないのですが、その後の政治的な配慮から、個人の被害に国費が入るようになってしまい、ある種際限がない状況になっている感じがしてならないのです。
自分の身の安全は自分で守る。ブロック塀などで人を傷つける可能性があるものは責任をもって自分で撤去するということが、本来の姿であるはずだと思うのです。
参考)大阪府HPより、
大阪府北部を震源とする地震義援金の緊急配分(第一次配分)について
更新日:平成30年7月13日
http://www.pref.osaka.lg.jp/fukushisomu/gienkin/itizihaifu.html
これより、
1 対 象
(3)災害救助法適用の13市町における住宅被害(一部損壊)がある下記の条件のいずれも満たす世帯
・6月26日(火曜日)夜間(27日午前0時)から27日(水曜日)午前8時までの間、避難所へ避難したことが名簿等で確認できること
・障がい者手帳所持者を含む世帯、ひとり親世帯、市町村民税非課税世帯のいずれかに該当すること
2 配分金額
(2)(3)住宅被害:5万円/世帯
Yahoo!より、
大阪北部地震1カ月 住宅被害3万棟超、なお90人避難
7/18(水) 5:28配信 朝日新聞デジタル
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180718-00000005-asahi-soci
記事より、
・地震発生から18日で1カ月を迎えるが、住宅被害は3万棟を超え、なお調査が続いている。17日午後6時時点で約90人が避難を続けている
Yahooより、
大阪府北部地震から1か月 府・被災者の日常回復へ全力
7/18(水) 12:34配信 THE PAGE
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180718-00000001-wordleafv-soci
記事より、
・消防庁によると、17日午後2時現在の住宅被害状況は、大阪府内で全壊10棟、半壊181棟、一部損壊が大阪府内で3万524棟、京都府内で2434、兵庫県内で4棟、奈良県内で27棟の計3万2989棟
・大阪府の松井一郎知事は、定例会見などで「7月中には日常生活を取り戻せるよう、スピード感をもって全庁あげて取り組んでいる」と話し、17日から府は被災者に対する無利子融資制度の受け付けを始めた。住宅が一部損壊以上の罹災証明書を有する人を対象としており、全壊や大規模半壊、半壊は上限300万円、一部損壊は同200万円を融資。返済期限は10年以内となっている。住宅金融支援機構のお客様コールセンター(災害専用ダイヤル 0120-086-353)での電話相談が可能で、大阪シティ信用金庫も今月中に同様の制度の受付開始に向け準備を進めている
京都でも国の税金を求める声が出ているが、いかがなものか?と感じます。
Yahoo!より、
地震・豪雨受け政府予算へ緊急要望 京都府が16項目
7/17(火) 22:59配信 京都新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180717-00000032-kyt-l26
記事より、
・緊急要望では、豪雨関連で綾部市に適用された被災者生活再建支援法の基準を緩和し、現在は対象とならない一部損壊でも国の財政支援が受けられるよう求める
行政に依存するようなことを政治がしてしまうと、住民自らが命を守る行動をとらなくなる可能性があります。
しかし、地震災害の場合、住宅が潰れて人が死ぬというのは一瞬です。行政が命を救うということは極めてレアだということを知って欲しいのです。

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