地震の時に安全なのは2階、九州大学による熊本地震の教訓『九州の防災~熊本地震からあなたの身の守り方を学ぶ』に書かれているのに紹介されない現実

真実と書きながらも、実は『九州の防災~熊本地震からあなたの身の守り方を学ぶ』は購入できず中身を見ることができなかったので、実際に2階が安全という情報はあるかもしれないのですが・・・

<追記>以下、推測で書いていたのですが、著者の杉本助教からご指摘をいただきました。タイトルや以下もそれに基づき修正をしました。コメントにあるように、1階は危険だという真実についてこの教科書では書かれたいうことです。しかし、残念ながらこの記事を書いた記者はこの部分の重要性が理解できなかったのでしょう。私の提案としては、2階で寝ようという、単純明快な行動を促すような言葉が大事だと考えています。

なお、この教科書について、いろいろとGoogle検索をしてみて出てきたのは以下のようなものです。

注目は、トップに名前の出てくる、九州大の杉本めぐみ助教の発言。

「進学して1人暮らしをする卒業生に倒壊の危険がある安アパートに住まないようアドバイスして」

というもの。

主張は全くその通りだと思います。

さらに、
「進学して1人暮らしをする卒業生に新耐震以前で倒壊の危険がある安アパートに住まざるを得ないときは絶対に1階には住まないようにアドバイスして」

という趣旨のことが書かれているそうです。

実際、関連死の問題はあるものの、熊本地震の直接死のほとんどは2階建ての木造住宅が本震で倒壊して1階がぺしゃんこになって生き残れる空間がなく、亡くなってしまったというのが現実です。

好みの問題かもしれませんが、「安アパートに住むな」の前に、木造なら2階で寝よう、1階はやめておけ!というシンプルな表現が伝わりやすいのではないかと思います。

日本の地震防災対策において一般住民への広報で抜け落ちていると感じるのは、実は、一番大事な、本当に身を守ること、命を守ることです。

つまり、

2階が上から落ちてくるような木造住宅の1階で寝ないこと

が、まず第一に身を守ることへの答えです。ですが、なぜかいつも生き延びた後の備蓄についての話が防災対策としてマスコミでも取り上げられ広報されてしまっているのが残念です。


飲み水や食料、避難場所・・・大地震発生で数秒から1分程度で木造住宅はぺしゃんこになります。大地震が発生した際に1階に寝ていて、十分な空間が無い場合は圧死して、ほぼ即死してしまいます。200万円から300万円もかかる耐震改修をすすめるにしても、地震はいつ起こるかわかりません。
大切なことは大地震で死なないこと。
大地震後に生きていなければ、飲み水の確保など災害への準備は地震の場合は全く関係ないものとなってしまうからです。


参考)九州大学のプレスリリース

九州大学の基幹教育教科書『九州の防災~熊本地震からあなたの身の守り方をまなぶ』出版のご報告と授業開講のお知らせ

https://www.kyushu-u.ac.jp/f/32911/180409%E4%B9%9D%E5%B7%9E%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%81%AE%E5%9F%BA%E5%B9%B9%E6%95%99%E8%82%B2%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8%E3%80%8E%E4%B9%9D%E5%B7%9E%E3%81%AE%E9%98%B2%E7%81%BD%EF%BD%9E%E7%86%8A%E6%9C%AC%E5%9C%B0%E9%9C%87%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AE%E8%BA%AB%E3%81%AE%E5%AE%88%E3%82%8A%E6%96%B9%E3%82%92%E3%81%BE%E3%81%AA%E3%81%B6%E3%80%8F.pdf

参考)熊本防災

http://cyber.pref.kumamoto.jp/bousai/handbook/saigai01.html


参考)毎日新聞の記事より、

教職員研修会

災害から学ぶ備えを 九大・杉本助教講演 県教委 /佐賀

会員限定有料記事 毎日新聞2017年9月9日 地方版

https://mainichi.jp/articles/20170909/ddl/k41/100/379000c

記事より、

・防災について講演した九州大の杉本めぐみ助教は「進学して1人暮らしをする卒業生に倒壊の危険がある安アパートに住まないようアドバイスして」などと呼びかけた


参考)毎日新聞より、

熊本地震2年

九州大・杉本助教に聞く 避難所の災害別対応チェック 放置している現状は問題 /佐賀

毎日新聞2018年4月15日 地方版

https://mainichi.jp/articles/20180415/ddl/k41/040/178000c

記事より、

・避難所は地震、洪水など災害別に対応できるか何重にもチェックしないといけない。自治体庁舎と同じぐらい重要だと熊本地震で分かったはずなのに放置しているのは問題


参考)西日本新聞より、

家庭の防災対策は 九大・杉本めぐみ助教に聞く 家族の連絡先決めておく 食料は1週間分以上備蓄

2016年03月09日 13時25分

https://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/230167/

記事より、

・一般家庭が災害に備えて準備しておくことは。- まず家族の安否確認。家族それぞれが無事を知らせ合う『中継点』を決めておく。例えば九州なら関東など遠方の親戚や友人宅。災害が起きたら、そこに電話して無事を知らせれば、効率良く互いの無事を確認できる。通信会社の災害用伝言ダイヤルでもいい」

・地震発生直後から、どんな行動をするべきか。-「まず身を守ること。その後、電気のブレーカーを落とす、ガスの元栓を閉める、救助に参加する。阪神大震災では生き埋めなどの救助は97・5%が近所の人や通行人など『自助』『共助』だった。自治会の訓練などを通じて普段から共助の意識を共有してほしい」


<益城町で1階層崩壊の木造アパート>

Kumamoto-Mashiki-apartment.jpg

参考)










2階で寝ること.gif

この記事へのコメント

  • 著者 本人

    知人から連絡があったので、コメントに記載させて頂きます。
    本教科書には1階を避けることと、木造建築は2000年以降の法律で改訂された建築基準にあう建物に住むように、さらに厳しく記述しています (本書 P141 参照)。恐らく記者等は不動産関係への配慮からその部分を割愛したのではないかと思います。なぜ省いたのかは記者に聞いてください。なお、京大で河田先生に教わっています。
    2018年04月17日 18:49
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