倒壊の危険性が高いとは?

新聞をこのところ何度かにぎわせている「倒壊の危険性が高い」と言われる建築物の耐震性の問題。
建物の耐震性はその構造が木造なのか、鉄筋コンクリート造なのか、鉄骨造なのかなど構造によって判定の仕方が異なるので、なかなか説明が難しいのですが、一般の人がイメージする「倒壊の危険性の高い」と、(本当の構造が分かる)建築の専門家や学者の感覚は実はかなり異なるのではないかと思います。
端的に言うと、
「倒壊の危険性が高い」=「地震があるとバラバラに壊れて見る影もなくなってしまう」ではないのです。
「大地震の時に数ある柱のうちの最悪1本以上の柱が折れてしまう可能性がある」というような話です。同じ「倒壊の危険性が高い」建物でも建物によって千差万別です。本来、どのあたりが問題なのか?ということの説明を受けないと何がなんだか分からないのです。
さらに、木造住宅の2階建ての場合は、鉄筋コンクリート造などよりはもう少し厳しくで、
「倒壊の危険性が高い」=「1階の柱が折れてぺしゃんこになってしまう」
ということです。
多くの建物では2階はぺしゃんこにはならないので、「2階で寝よう」ということになるのです。

以下、簡単にまとめてみました。
倒壊の危険性が高いとは.gif

なかなか耐震診断の結果を理解するのは難しく、Is値なんて形で最も悪い数字だけを公表しても、それは単に将来耐震改修などが必要な建物という程度の意味しかないのです。東京都の公表は耐震改修をすすめるための一つのステップとして捉えることが大切なのです。
数字は独り歩きする、と言われますが、独り歩きで風評被害ではたまったものではありません。

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