外国人には震度で地震の大きさを伝えることはできないのです

日本では大地震の際に震度6強などと発表されます。
しかし、この震度は外国人に通じるのでしょうか?
答えは、通じない、というものです。
気象庁のホームページを見てみると、
参考)ホーム > 知識・解説 > よくある質問集 > 震度・マグニチュード・地震情報について
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq27.html#4

マグニチュードや震度は世界共通なのですか?

 マグニチュードは大まかに言うと世界共通です。ただし、使っている計算式や地震観測網が違うために、それぞれ異なるマグニチュードの値が計算され、その結果、新聞などで見る外国の地震のマグニチュードが同じ地震なのに少し違っている場合があります。

 震度は、その国の建物の壊れやすさなどにより異なり、したがって国によって異なっています。日本では、0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10階級で表し、震度計で観測します。一方、外国では主にMM震度階(モディファイド・メルカリ・スケール(改正メルカリ震度階))という12階級での表現を使っています。これは体感や被害によるものです。

 日本でも以前※は体感による震度観測を行い、震度7の地域については事後の現地調査で決定していました。現在は、震度計により震度を観測し、速報する体制をとっています。

※平成3年4月から計測震度計の導入を開始し、順次全国に展開しました。これに伴い、平成8年3月までに体感による震度観測を終了しました。

とあります。
世界共通の地震の表し方は震度ではなく、マグニチュード、ということになります。
したがって、日本にいる外国人の方には震度ではなくマグニチュードで地震の大きさを伝えてあげるということが必要です。
参考までに、BBCより、台湾の地震で猫が飛び起きた!という映像のニュースを紹介。
6.0 magnitude earthquake in Taiwan caught on night camera
猫も地震にびっくりというもので、これはマグニチュード6.0の場合の家の中の様子です。猫の目が光っていてなかなかシュールな感じです。

また、もともと震度というものは体感による震度観測、つまり、人間がどのように感じるかということで決めるものです。
さらに、平成3年度から計測震度計を導入し、平成8年3月までに震度計により震度を観測、速報するようになったのです。
今の震度は体感ではなく震度計によるもので、かつ、平成8年4月から運用されている新しいものということができます。
実際に、体感と計測震度計による結果というのはずれも生じることから、最近の震度6強では被害が少ない、という感じを多くの人に与えてしまうのです。
速報するために計測震度計の導入がされて機械的にすぐに震度が分かることは大切です。
しかし、実際の体感や被害の状況に応じて補正をするという仕組みをそろそろ導入する必要があるように思います。
今流行りのAIなどを使えば過去の被害状況のデータをもとに修正震度というものが、大地震発生後6時間以内や遅くとも24時間以内には示すことができると思うのです。
なぜなら、速報の計測震度の数字だけが一人歩きしてしまい、震度6強でも私の家は大丈夫だったから耐震性については問題ない、何も対策をしなくていい、と勘違いしてしまうからです。
少しでも心配な方は迷わず、2階で寝ることです。
色々考えているうちに大地震が来て1階で寝ていて、2階が上から落ちてきて挟まれて死んでしまっては何にもならないのです。
深江南町3丁目4-19.jpg
<神戸市提供>

参考)地震保険研究より、
https://www.giroj.or.jp/publication/earthquake_research/No09_1.pdf
これにあるように、
カリフォルニア州では、情報開示を重要な政策手段の一つとして利用しており、古い建物を売却する際、所有者は購入者に対し、その建物が地震被害を受けやすいことを通知する必要がある
といった取り組みがなされています。
日本でも宅地建物取引業法の改正により、重要事項説明に建物の耐震性について旧耐震のものについては耐震診断の実施の有無などを伝えることが必須になっているものの、耐震診断はしていません、と言ってしまえばそれで終わりなのです。
しかし、取引の段階で、耐震性についての情報がない場合については、耐震性が低いものと見なされ高値では売れないでしょう。
耐震診断も売るときには、インスペクションとセットで行うというのが現実的だろうと思います。

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