輪島市、珠洲市の耐震改修促進計画と現実

令和6年能登半島地震。
なぜ令和6年なのかというと、過去に2007年に発生した能登半島地震があるから。
しかし、耐震改修が進んだかというと決してそうではないのが現実。
輪島市、珠洲市の耐震改修計画を見てみる。制度的にはやることはやっていると言えるが、なかなか厳しい現実。
なお、被災を受けた場合でも耐震改修工事の補助は使えるので、住宅の補修と併せて(重複する部分を除くなどの整理は必要だが)制度を活用してほしいと思う。

輪島市耐震改修促進計画

https://www.city.wajima.ishikawa.jp/docs/2018063000019/file_contents/taishin_20200401.pdf

これから、現状は、
令和元年現在、本市における住宅の現状をみると、耐震化の対象とする住宅数9,980 戸のうち、45.2%が耐震性あり。
であり、耐震性が不十分なものは、5,473戸、54.8%なのだ。
計画では、平成6年度末には住宅についても90%の耐震化を実現するとされているが、現実問題、達成されていない。
これまで年間6戸のペースでしか耐震改修が実施されてきていない。
目標を実現するためには、新築や除却される住宅を見込んでも、5年計画で4,000戸以上について耐震改修をしなければならないという計画。
非現実的だ。
今回、被害を受けた住宅のほとんどは耐震性が不十分な住宅であることは自明。
色々と促進策はするものの、いつも言われるように、高齢化、金がかかる、ということで進まないというのが今の状態。

珠洲市耐震改修促進計画
https://www.city.suzu.lg.jp/uploaded/attachment/2024.pdf

これによると、住宅の耐震化率の現状は、2018年で51%。2028年の目標は70%。
なお、耐震改修工事については、対象工事については1/1の補助率、つまり、100%補助することとなっており、上限200万円と手厚いのだが、これもなかなか進んでいないようだ。
令和2年度は2件、令和3年度は1件、令和4年度は0件というのが耐震改修工事の実績。
参考)NHK石川NewsWebより、
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20230630/3020015688.html

石川県も耐震改修工事について150万円上限で全額補助する仕組みを平成30年から用意して市町村をサポートしている。
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kenju/taishinportal/taishin_hojo.html
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kenju/taishinportal/documents/seido_ichiran_kanni.pdf


他の県では、高知県の黒潮町では100%町が耐震改修の費用を負担するということを実施している。
https://www.town.kuroshio.lg.jp/pb/cont/faq-ijuujuutaku/3673

これにあるように、
Q 耐震診断・設計・工事の補助金はいくらですか?

2016年03月11日 11時10分 公開

A 黒潮町では、昭和56年5月以前の旧建築基準で建てられた木造住宅を対象に耐震診断の費用を全額補助する事業を行っています。
また、耐震設計には上限30万円、改修工事には上限92万5千円の補助金があります。

いずれも事前申請が必要ですので、まずは担当係にご相談ください。
それでも以下の黒潮町住宅耐震化緊急促進アクションプログラム(資料編)にあるように、3,392戸の耐震改修をR4以降することになっており、
https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/171901/files/2018041800075/file_2023250101525_101.pdf

年間100(150)戸のペースの計画であり、耐震化を図るには30年以上かかる。
これが現実。
全額補助でも耐震改修が進まないとすれば、2階で寝る、2階で過ごすしかない。
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